2009年8月8日土曜日

【面接官の心得】「ベンチャー的採用基準」へのアンチテーゼ



たまに「人事ブログ」をチェックしています。

社名と本名を出しているブログの場合には、その企業にとってマイナスになることは当然書けませんし、人事の発言、というのは社内でも微妙に影響力があるものですから、破天荒な内容のものは、ほとんどありません。
まともです。

まあ、それでもたまに「ふーん・・」と思うことがあるのですが、今日はそんな記事のひとつ。

「ベンチャーで活躍する人材を5分で見抜く方法」


ベンチャーで活躍する人材を5分で見抜く面接

「夢はなんですか?」
「その夢を実現するのはいつですか?」
「3年以内にその夢を実現するとしたら、必要なものは?」
「では、そのために今年何をしようと思っていますか?
それは当社で働くことと合致しますか?」

全て、自分の言葉で答えられたら採用。




実によく聞く話です。
ベンチャー企業系の採用面接で、これを聞かないところはないといってもいいでしょう。


ただ、私はこの考えにはちょっと反論したい気持ちがあります。


自分の目標が明確になっていて、そのために努力をしており、かつ、その目標の達成と企業の目標が合致している。だから、うちの会社をそのステージとして利用してくれるような、そんな人に働いてほしい。


これが達成されるとすばらしいです。
企業側も採用された人も万々歳です。


ただですね、思うわけです。


目標に向かって一直線に進むだけが人生ではないわけなのです。

そういう人生を歩んでいる人も勿論いますが、ふとしたことで思いもかけなかった方向に進んでみたり、なぜかちょっと回り道をしてみたり、これからどういう方向に進んで行こうかなあ、と悩んでみたり、そういうことが人生にはちょくちょく起こります。


そういう時に、社員に対して「こういう道もあるよ。」と提案できる力、というのも会社にとっては必要だと思うのです。そういう時に、「この会社が好きだから、もうちょっと頑張ってみようかなあ」と思わせられるかどうかは、その企業の懐の深さでもあるわけです。






目標達成のための手段として、その会社で働いて、3年でそれを達成し、そしてみんな去って行く。


果たしてそれだけでいいのか?と思ったりするのです。それで、その会社は成長していけるのか?と思ったりするのです。



会社に対して「おんぶにだっこ」の社員ばかりなのは困りますが、
「君の夢を実現するためのフィールドとしてうちの会社を利用してくれたまえ」
「そういう人材じゃないと採用しないよ。」
という考え一辺倒なのは、

それはすなわち、
「うちの会社はベンチャーで不安定だから、君の将来を約束できない。」
ということの裏返しなのであって、

「でもきっと、近い将来、君が人生に迷ったときでも、選択肢を提供できるような会社になってみせるよ。」

と宣言する度量をまだ持てない企業である、という事実の現れであることを、ベンチャー企業の人事担当者は、謙虚に噛みしめなくてはいけないのではないかと思うのです。


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