2009年6月25日木曜日

【面接官の心得】自分より優秀な人は判断できない


棚からボタモチ、ということわざがありますが、今日の話題は、「棚の上にあるボタモチは見えない」という話です。



面接官をやっていると、 かなりの確率で「よくわからない人」が出てきます。ストレートに言ってしまうと、優秀なのかそうでないのかわからない、という意味です。

こういう「よくわからない人」というのは、不合格にしてしまいがちなのですが、ここでひとつ、考慮に入れておかないといけないことがあります。


それは、その人が自分に比べてずば抜けて優秀であり、だからこそ、自分にはそのスゴさがわからないのかもしれない、という可能性があるということです。


まさしく、自分の背より高いところにあるボタモチは見えないのです。


自分より年齢が上であったり、社会人としてのキャリアが長かったりすると、「あ、この人は自分より高いレイヤーで仕事をしているんだな、だからよくわかんないんだな。」ということがすんなりと納得いったりします。


難しいのは、自分とキャリアが同じくらい、もしくは自分よりキャリアが浅くて、かつ自分とは違うタイプの人だったりする場合です。


まあ一般論になってしまうわけですが、私が今まで知り合った人の中で、本当に本当に優秀な人というのは、わりとどこか変わっている人が多いように思います。常人とネジが多少違っているとでも言いましょうか。


常人とのネジのズレ具合にもよりますが、必ずしも、こういうずば抜けて優秀な人達が、面接が得意かというとそうでもないのです。

ちょっと性格的に変わっていたり、経歴が変わっていたりすると、その分、誤解されやすく、警戒されやすいからです。


応募者の立場に立つならば、「面接官にわかるようにアピールせよ。」ということに限るのですが、

面接官の立場に立つならば、「この人よくわかんね。」と思ったときには、

この人は実はものすごく優秀で、

その優秀さを自分が理解できていない

のかもしれない、という真摯な姿勢を大事にしてほしいと思うわけなのです。


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2009年6月19日金曜日

【新卒・中途】面接で、血液型が聞きたくてしょうがない


世の中には、いろんな占いやタイプ論がありますが、今現在、日本で最も幅を利かせているのは、ずばりこれです。

血液型。

毎日、100回くらいは日本のどこかでこういう会話がなされているのではないかと推察されます。


「何型?」
「何型に見える?」
「うーん、O型かなー?」
「えー、O型っぽい?実はAB型なんだよねー。」
「うっそー!ABっぽくなーい!あ、でもそういうところもあるかもー!」


なんじゃい、「A型っぽい」とか、「B型っぽくない」とか。どうでもええやんけ。ちなみ私、A型です。いつもいつも、「っぽいね。」って言われます。褒め言葉じゃないのは分かってます。

でも、タイプ分けって楽しいです。確かに。


人には、誰かと知り合いになるときに、必ず知っておきたいポイントというものがあると思います。年齢だったり、出身地だったり、学歴だったり、どこに住んでるのかだったり、お酒を飲むのかだったり、既婚者なのかどうかだったり。

そして、「○○な人って、こうだよね」という前提のもとに話を進めて、その通りならそれはそれで安心できるし、その通りじゃなかったらそれはそれで興味深いし、まあ話も盛り上がります。



でもですね、たまにいるんですよね。テッテー的に血液型にこだわる人が。血液型フリークですよ。


私が採用担当をしていた頃、とある部署の一番エライ人が血液型フリークでした。男性なんですけどね。いい年の。その部署の人を採用するにあたっては、必ずこれが問題になるのです。



「血液型は何型なのか」


そ の部署が人手不足だから、中途採用しようということになり、若手リーダーなんかと一緒に面接をするんです。そのボスは、直接面接には登場しないのですが、 面接で、これはいい!という人がいて、若手リーダーがボスに、こういう人がいるからぜひ採用したいと思う、という話をすると、こう聞かれるらしいんです。


ボス: 「で、そいつの血液型は?」
若手: 「・・・。聞いていないです。」
ボス: 「聞いとけや。」
若手: 「・・・。はい、わかりました。聞いておきます。」



そして、若手リーダーが、私のところへ来て言うんです。
「ねえ、あの人の血液型、聞いておいてくんない?」


   (ここから当時の私の心の声)

い、いま、何て言った・・?
あのね、こちとら、あの人を採用するにあたって、年収の交渉の妥協ラインはいくらくらいかな、
なんてことを、今せっせと考えてるんですよ。

それを言うに事欠いて、血液型聞いとけって言った?

なあ、血液型聞いとけって言った?
オイこら、ちょっと待て。
バッカじゃねーの!ねえ、バカなの?
っていうか、アホか?アホだろ!

(ここまで当時の私の心の声)



あ、いやいや興奮してはいかんなと。そして、私は説明しましたよ。ぐっとこらえて、きちんと論理的に説明しましたよ。



その1:血液型を聞いてどうするというのか。

A型だったらOK、B型だったらNG、O型だったらギリOK、みたいなラインがあるのか。ないよね?普通に考えたら、ないよね?知っておきたい、っていうレベルの話ですよね。それはね。

仮にこの人が、AB型であることがここで発覚したとしても、それで採用を取りやめるってわけじゃないよね?

そこまでは考えてない、ちょっとボスが知りたいって言ってるから、、っていうレベルの話なんだとしたらですね、今この段階で聞かなくてもいいんじゃないですか?入社して、さー頑張っていこうぜ!ってなった時に、歓迎会かなんかで聞いたらいいんじゃないですか?

AB型だったら採用やめるとか言ったら、ほんっっと、二度と採用しませんよ、お宅の部署。





その2:そもそもね、判断基準に関係ないことを聞いちゃだめなんですよ、面接って。


何を質問するにしても、「それで可否を判断している」とされてもおかしくないことしか、聞いちゃダメですよ。そりゃあね、面接の中の流れでね、「あ、お住まいこの辺ですか?」とかはね、それはいいと思いますよ。雑談の範囲ですからね。でも、もう面接は終わってますからね。彼はおうちに帰っちゃってますからね。雑談じゃないですよ。

しかも、血液型なんてね、本人には全く責任のないことですからね。A型になりたいってなってるわけじゃないし、変えようと思って変えられるものでもないでしょ。そういう本人に責任のないことで、判断基準に関係ないことなんて、聞いちゃだめなんですよ。ダメ!


その3:しかも、今から私がわざわざ、電話をかけて「ところであなた、血液型何型?」って聞くんですか?

あなたが応募者だったらどう思います?私だったらですね、確実に思いますよ。「あ、この会社やばいな」ってね。「やめとこうかな」ってね。変でしょ?どう考えても変でしょ?2ちゃんねるに書かれますよ。あの会社は血液型で採用決めてるって。危ない会社だって思われますよ。本当に。いやマジで。



といったことを、かなりの剣幕で語って、なんとかその応募者に電話をして血液型を聞くような羽目になるのは避けられました。


でも、それ以降、その部署の若手リーダーたちは、面接に同席したら、必ず最後に「いやー、うちの部署はO型が多いんですよね。ちなみに・・?」
とソフトに血液型を聞き出すテクニック
を身に付けていました。



アホらしくてウソみたいだけど、本当の話です。






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【新卒・キャリア】美人は面接に合格しやすいか



2009年6月8日月曜日

【新卒・キャリア】美人は面接に合格しやすいか



「本人の責任ではないこと」を質問してはいけないの記事の部分的に続き。


美人であることは、はたして面接において得なのか、ということについて真面目に考えてみたいと思います。(性別は女性限定。超イケメンの方の場合はまた違うと思うので。)

得に決まってんじゃん、と思われるかもしれませんが、実はそうでもないのです。

ここで言うところの「美人」は、まあそこそこ美人、ではなくて本気の美人さんです。誰がどう見ても美人、というレベルの美人さんです。そして、普通の企業に就職したい超美人さんです。


得か損かというと、実はちょっと損なんじゃないかなーと思います。

あまりにも美人だとですね、警戒されるのです。


具体的にはどういう風に警戒されるかというと、こんな感じです。



面接官男性Aの場合:

・おお!スゲー美人だ!これは美人だ!!
・うおー、テンションあがるなあ、これは。
・営業の部長とか超喜びそう。
・む、でも、この人を合格にすると「美人だからだろ」って絶対言われるな。
・確かに美人だけど、でもそれを除いても採用する理由があるってことをちゃんと証明・説得できないといけないな・・。
・よし、美人であることを上回るような、この人の長所を探そう。
・長所....長所....、美人であること以上の長所....。
・けっこう難しいな・・。

面接官女性Bの場合:

・うわ!すごい美人!これは美人!
・こーれは、緊張しちゃうなあ。
・この人がうちの部署に入って来たら、メンズが大騒ぎだなあ。
・きっと美人だから、色々得してきたんだろうなあ。
・まあ、美人であることはさておき、採用する価値があるかどうか、ってことが問題よね。
・採用する価値、採用する価値、....。
・どうなんだろうな・・。


美人であるってことは、本人のせいではないのですが、面接する=その人を仲間として迎えるかどうか、を判断する際には、結構大きく影響してきます。


男性だったら、「そういう目で見た」わけじゃない、ということを証明しないといけませんし、
女性だったら、「嫉妬やヤッカミの気持ち」は全くない、ということを証明しないといけないからです。

それだけで、受け入れ側には、すでに通常時にはない、多少の負荷がかかっていると言えます。(もちろん、超美人に興味もヤッカミもない男性も女性もいますけどね。)


反面、美人である当人にしてみると、そんな負荷をかけているつもりは全くないわけで、むしろ当惑していることが多いようです。私の個人的な調査によると、ものすごい美人は、実はわりと内気な人が多いのです。

小さい頃から、自分のせいではない「美しいということ」を理由に、好かれたり嫌われたりしているので、それに懲りて、必要以上に人と関わらないようにしている場合が多いようです。(あくまで私の個人的な調査によると。)


おそらく面接で一番得なのは、そんなにすごく美人ではないけど、なんとなく人好きのするタイプの「ちょっと美人」な人だろうな、と思います。



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2009年6月7日日曜日

【面接官の心得】「本人の責任ではないこと」を質問してはいけない



面接で聞いてはいけないこと、というものがいくつか存在します。


この話題について、関心が高い(もしくは必要に迫られている)方が結構いらっしゃるようなので、まとめておきたいと思います。


面接で聞いてはいけないこと、それはズバリ、本人の責任ではないこと について、です。


両親がどんな仕事をしているか、それは本人の責任ではないですよね。
どこで生まれたのか、それも本人の責任ではないですよね。
ついでに言うと、男性なのか女性なのか、それも基本的には、本人の責任ではないですよね。
(性別に関しては、後天的に選択しているケースもあるので、「基本的には」。)


本人の責任ではないことについてなぜ面接で質問してはいけないかというと、「私自身ではどうしようもないことをもとに、結果を判断している。」と応募者の方が捉える可能性があるからです。


そうです、基本的に、本人の責任ではないことを理由に、面接の可否を判断してはいけないのです。


この話題は、こうやって総論で語ると非常に賛同を得やすいのですが、個別論に入ると、結構難しいところがあるんです。



例えば、「太ってるのは、その人の責任か?」とか。

ここがアメリカだとすると、答えはYesです。アメリカでは、太っている=自己管理のできない人=仕事の能力も高くないとみなされることが多いようです。

だから、本気のエグゼクティブは、ジムに通ってボディコントロールに余念がないらしいです。

でもさ、体質とか環境ってものもあるじゃないですか。100%本人の責任かというと、ちょっと微妙なんですよねー。

かといって、体重300kgオーバーの方を採用するのに、何のためらいもない企業も、そうそうないと思うんです。難しいところです。


逆に、「ものすごい美女」とかも意見がわかれるところですね。

私は基本的に、30歳超えたら、その人がどういう顔なのかは本人の責任の範疇、と思っています。くたびれた顔も美しい顔も、本人の責任だし、本人の成果です。

ですが、世の中には、なんかそういうレベルではなく、ただひたすら造形の美しい人というのが存在するんですよねえ。

もうなんかそれだけで「採用!」と言ってしまいたくなるような顔をしている人が。
難しいところです。



強引にまとめてみると、これって聞いてもいいのかな?と思ったときには、

「この質問で合否を判断している、と思われても大丈夫か?」
「それって、その人の責任の範疇か?」

と自問自答すれば、変なことにはまずならないハズです。


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